アンタレス

グリーンマイルのアンタレスのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
3.6
この作品で最も印象に残ったセリフがある。
「俺は人生において、いくつか胸を張って言えないことをしたことがある。しかし、地獄へ落ちるんじゃないかと思ったのは、初めてだ」
これは、トム・ハンクス演じる主人公ポールのセリフである。
ジョンが無実であることは明白であり、その能力を使い少女を助けようとしたのだと、ポールを始め全ての看守達が理解していた。
しかし、自分ではポールを助けることができないと、深く苦悩している姿を如実に表しているセリフだと思うのだ。

ポールの苦悩というのは、様々な形で表現されている。先程のシーンの他に尿管結石による苦しみや、ジョンの力の残滓により108になっても死ねず、親しい人を見送らねばならない哀しみ。
それらはすべて無実のジョンを見殺しにしてしまった贖罪であり、ポールは今とてつもなく長いグリーンマイルを歩いているのだと、そういうことなのだろう。
アンタレス

アンタレス