シナモンメルツ

グリーンマイルのシナモンメルツのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
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いや良作すぎて死んだわ。この映画の場合あまり安直に死のワードを出すべきではないけれど。

電気椅子で処刑されていく重罪人。
そこに紛れ込んだ大きな、そして黒人の存在は異質だ。けれど彼はほとんどのシーンを泣いて過ごしている。
泣き顔と大量の汗でもって、そして顔のアップが多い。
助けられたはず、ということが誰にでも分かって、助けるのが正しいわけではなかった、と納得させられてしまう。
処刑シーンはしっかり泣く。警官全員が涙を飲んでいたのが本当に、憎い演出。

誰でもグリーンマイルを歩いている。
長生きとか分かりすぎてしまう辛さを享受して、それを償いとして、囚われ続けている。
死を見送り続けることは彼もとい人の一生のテーマだろう。
ねずみの存在がどう効いてくるんだろうと思っていたけど、死刑囚も主人公も、救われている。
多分、彼は人間や物には無理で、口を聞けないというのがポイントだろう。
ジョンも喋るのがうまくないしね。

時代的に黒人への差別意識とか、あと死刑を見る制度とかすげぇなってなる。
よかった。
死んだ後がきっとよくなる、天国とかそういった思想。
キリスト教を交えているのはやはりイエスの存在を思わせる。着想はそこだろう。治せてしまうのとかね。