すとんこ

座頭市のすとんこのレビュー・感想・評価

座頭市(1989年製作の映画)
4.0
五右衛門一家の仕切る賭場で因縁をつけられたいっつぁんが、以後、命を狙われ続けるって話☆

「落ち葉は風をうらまない」

本作が劇場公開され、VHSビデオがレンタル開始された頃に観た時は、なんて面白くてエキサイティングな映画だと感動したのですが、あらためて見直してみると、結構、シナリオがたがたですね(^_^;)
きっと現場の思いつきでシナリオをバンバン変えてしまった影響でしょうね。当時の現場スタッフの苦労がうかがい知れます。整合性とるの大変だったろうな。

しかし、刀を逆手に持った独特の殺陣で敵を瞬く間に切り倒していく様は爽快。今も色褪せない興奮がそこにあります。『座頭市』といったらコレでしょう。

また、いっつぁんの仕草の一つ一つがカワイイ。牢屋で出会った鶴、海岸に住むオヤジ・儀助とのやり取り、偶然知り合った浪人の剣豪との掛け合いが、ずっと見ていたくなるほどに素晴らしい。彼らが心底いっつぁんの人柄に惚れ込んでいる事が分かる。見ているこちらを優しい気持ちにしてくれます。
五右衛門一家に雇われて、いっつぁんを的にかける事になった浪人が、なかなか行動に出られなくなり、共に酒を酌み交わしている際に、思わずむせび泣いてしまうシーンが感動的。マジ泣ける。

やがて役人とヤクザが結託して宿場町を牛耳るための抗争に巻き込まれるいっつぁん、単身の大立ち回りでヤクザを一掃します。痺れるほどにカッコイイ。

激しいアクションに重厚な人間ドラマ、いびつなシナリオもここまでくれば味と思えるほどに楽しめてしまう、『座頭市』ベストアルバムのような一本(^_^)☆



○キャスト○
座頭市:勝新太郎
五右衛門:奥村雄大
菩薩のおはん:樋口可南子
大親分:田武謙三
仁:蟹江敬三
車助左衛門:ジョー山中
用心棒:安岡力也
赤兵衛:内田裕也
源太:江幡高志
八州取締役:陣内孝則
儀肋:三木のり平
浪人:緒形拳
おうめ:草野とよ実
鶴:片岡鶴太郎
庄屋:多々良純
岡っ引き:梅津栄
旅の按摩:川谷拓三
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