スギ

バットマン オリジナル・ムービーのスギのレビュー・感想・評価

2.9
 今話題のリドラー(ナゾラー)も登場する66年版バットマン。TVシリーズの劇場版である今作はゴッサムシティの闇の部分というよりも、ポップで子供向けな作品に仕上がっている。もはや孤独で復讐に明け暮れている描写はなく、ロビンとのバディものであり、常に空は明るい。ヘリコプターから水上ボートまであらゆる乗り物を乗りこなすコウモリ男とロビン。スーパー戦隊シリーズを見てる気分になる。現代のアメコミ映画を観ていると単に敵を倒すだけの映画ではなく深いサブテキストがあるがこの映画には全くない。敵は意味不明なアジトと武器を所有し、バットマンサイドのガジェットやらなんやらもダサい。あのダークナイトやザバットマンのダークさがバットマンには似合う。ヴィランのストーリーも少なく入り込めない。そう考えると各キャラを深々と掘り下げる傾向にある現代のアメコミ映画やドラマは本当に面白い。長い年月をかけて皆んなに認められてきたのだと思う。昔の映画だから仕方ないのかもしれないが茶番アメコミ映画はもう作られないことを願う。
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