松長もんど

恋愛日記の松長もんどのレビュー・感想・評価

恋愛日記(1977年製作の映画)
3.8
数え切れないほどの女性との関係を持った脚フェチの中年男”ベルトラン・モラーヌ”が、自らの女性遍歴を回顧した一冊の小説を出版するまでを描いた物語。(『Wikipedia』より一部抜粋。)

ストーリーだけを切り取ってしまうと、ただのヤバイ奴の物語としか思えない。

確かに”とんでもなく女好き”と言うのは間違ってはいないのだが、何故か憎めない。
それは快楽を求める為ではなく、なんとも変哲だが、そこに「愛」があるからだと感じた。嫌味を全く感じさせず、優しさを巧く描いたトリュフォーに感服。

そんな彼が自らの過去や女性遍歴を回顧した小説を執筆する事によって、心情が見え始め、物語は少しずつ深みを増す。
いや、深みは増すと言ったものの、男性目線の物語なので、はたして女性はどう思うだろうか、。

ユーモアも備えた、美しいラストシーンが印象的。

かなり変わった視点から、”愛”とはなんぞやと問いかけられる作品。

因みに、原題を直訳すると『女を愛した男』。
邦題の”恋愛日記”って、なんだか軽く聞こえるし、微妙にニュアンスが違うような気もするが、どうだろう。