あるてーきゅう至上主義者

L.A.コンフィデンシャルのあるてーきゅう至上主義者のレビュー・感想・評価

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)
4.0
ラ・ラ・ランドがハリウッドの表街道を行く物語なら、この映画はハリウッドの裏街道を疾走する物語。「ハリウッドの有名女優そっくりの娼婦」という設定も、なかなか皮肉がきいている。

とはいえ、刑事物としては正統派の作品。原作ファンが心配になるほど、この映画は原作小説と異なっているんだけど、かえって物語とキャラクターが交通整理されてよくなっているような。この作品の一番の見所といえる壮絶な銃撃戦は映画オリジナルだし。

三人の刑事のキャラクターはもちろんのこと、彼らの上司にあたる老獪な警官、ファムファタールのリン、狂言回しの雑誌記者まで人物造形にぬかりがない。だからこそ、「ロロ・トマシ」の正体には驚いたな…。本筋を追って黒幕を探すサスペンスとしても楽しめるけど、汗くさい男のドラマとして観ても最高に楽しい。