R

エクスペンダブルズ2のRのネタバレレビュー・内容・結末

エクスペンダブルズ2(2012年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2012年のアメリカの作品。

監督は「コン・エアー」のサイモン・ウェスト。

あらすじ

最強無敵の傭兵軍団「エクスペンダブルズ」、今回の任務はバルカン半島アルバニア領にある山脈に墜落した輸送機からデータボックスを回収するという簡単な任務だったが、邪悪で残忍な指導者ヴィラン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム「ミニオンズ・フィーバー」)の罠にはまり、データを奪われ、仲間の1人まで命を失ってしまう。かつてない怒りに燃えるリーダーのバーニー・ロス(シルヴェスター・スタローン「スライ スタローンの物語」)はじめエクスペンダブルズの面々はデータに機密されていた大量のプルトニウムを取り戻すため、そして命を奪われた仲間の「リベンジ」を果たすため、武装組織の足跡を追う!

今週公開の最新作に備えて(Filmarksの評価低いけど大丈夫なのか…笑)、シリーズのおさらい中、今回はその2作目。

お話はあらすじの通り、一作目は主演、総指揮のスライが自ら監督し、80年代筋肉スター総出演の喜びに満ち溢れたお祭り映画だったが、まさかの続編ということで今回は、あの個人的にニコケイ主演作の中でも1番好きな大傑作「コン・エアー」のサイモン・ウェストに監督を譲って主演に専念している。

で、まず興味深かったのが、フィルムの画質。前作はカラッとした、THEアクション映画!って感じの画質だったんだけど、今回は割とソフトフォーカスとまではいかないけど、薄ぼんやりとした印象で、なんかそれだけで格式高くも感じる。だから、その結果どっちかというとミニシアター系とかフランス映画っぽさもあって、でも出てるのはみんなアクションスターというちょっと目が混乱する事態になっちゃってる!だが、それが妙に本作の味わいを深めているのも事実。

ということで今回ものっけから前作以上にパワーアップしたオープニングから始まるんだけど、ネパールにて、大勢の敵兵士相手に「ノックノック!」や「まもなく参上」などのユニークな塗装がされた装甲車に跨って敵陣地に突っ込んでのド派手な銃乱射から始まり、チームの面々それぞれのガンアクション及び肉弾戦(特にヤン(ジェット・リー「ムーラン」)の両手にフライパンを持っての打撃アクションがジャッキーっぽくて面白い!)をスピーディーに見せつつ、袋を被せられて拘束されていたのは前作カメオ出演だけだったバーニーの商売敵トレンチ演じるアーノルド・シュワルツェネッガー(「グレタ ひとりぼっちの挑戦」)という冒頭にしても上々すぎる出来!!

そして、今作新たにチームメンバーに加わり、前作では実はチーム最年少だったジェイソン・ステイサム(「オペレーション・フォーチュン」)演じるクリスマスに代わり、大幅なチーム平均年齢低下に貢献するのはリアム・ヘムズワース(「モースト・デンジャラス・ゲーム」)演じるビリー・"ザ ・キッド"・ティモンズ!!荒々しく男臭いメンバーの中では1番後輩ということもあり、口調も敬語だし、誰に対しても物腰は穏やかで極めて優しいのが特徴的なんだけど、一転戦闘シーンでは「ビリー・ザ ・キッド」という異名よろしく、銃器、特にスナイパーとしても腕利きでチームから離れた高所の崖から正確無比に狙いを定め、GORENKO ANTI-TANK RIFLEみたいなイカちースナイパーで敵のドタマを丸ごと撃ち抜くという恐ろしい狙撃手っぷりを披露している!

あんまりリアム・ヘムズワースにアクションのイメージってなくて、まぁ役柄の好印象な感じもあって好きではあるんだけど、もしまた続編とか作る気があるなら、今度は「タイラー・レイク」でアクションバリバリやってたし、やっぱ兄貴のクリス・ヘムズワースとか招集しないかな笑。

ただ、そんなビリー、なんと早々にチームもろとも敵の罠にはまり、退場してしまう…。そして、そんなビリーを殺した今回の敵役、その名もズバリ、ヴィランと名乗る男を演じるのは、なんとあのヴァン・ダムというからテンションがアガる!!もうヴァンダムが敵役!ってだけで新鮮なんだけど、邪悪な指導者として人を酷使しまくる鬼畜っぷりと、やはりヴァンダムといえば!なキック攻撃で手下のここでもアクションスター!スコット・アドキンス(「ジョン・ウィック:コンセクエンス」)演じるヘクターがビリーの胸の位置に当てて持たせていたナイフで刺し殺すという、普通に刺せばええやん!な無駄な特技披露シーンも面白かった!

あとはまぁ、新キャラ、ヒロインポジでアジアの女優さんが出てたけど、まぁそれは語らなくて良いんでしょう笑!

で、そんなビリーを殺されてしまって、チームだけで敵討ちだ!と支援なしで後を追う一行なんだけど、途中で聞き込みでスライやステイサムの倍以上ある屈強な男たちに絡まれて乱闘になったり、アメリカナイズされた旧ソ連の陸軍基地で宿をとることになって「死ぬ前に何が1番食べたい?」の話からそれぞれの最後の晩餐を語らうシーンがあったりと、前作みたいなそれぞれの見せ場こそないけど、キャラの掛け合いだったり、ガンナー(ドルフ・ラングレン「ベストマン 最強の介添人」)のいびきをバーニーが燻しがるというドルフドルフ・ラングレンの愛嬌爆発!!みたいなほっこりするシーンが多いのが嬉しい。

ただ、そんな中、サングという地元ギャング?みたいのに絡まれてしまって大ピンチの状況に陥ったところ、現れるお助けキャラとして登場するのがチャック・ノリス(「キャノンフィルムズ 爆走風雲録」)演じる「一匹狼」ブッカー!!大勢のサングと戦車一機が相手という絶対的に不利な状況下でライフルとランチャーで単身敵を蹴散らすというおいしい役なんだけど、ファンからは「チャック・ノリス・ファクト」と揶揄されるくらい主演作ではチート扱い的な強さを誇るノリスに相応しいシーンとなっており、そういう意味でもやっぱどのアクションスターにどうよう役割を与えるかを作り手とスライはよくわかってるよなぁ。

ただ、そんな本作、あくまでノリスは個人的には本作の「前菜」と言わざるを得ない。やはり「メインディッシュ」は前作で客演に甘んじて、ファンにとっては「お預け」状態だった、スライ、シュワ、そしてチャーチを演じたブルース・ウィリス(「オペレーション・ゴールド」の夢の三大アクションスター揃い踏みでの共闘シーンがあること!!

ヴィランに追いついて対峙するものの、攻防の末、生き埋め状態になってしまったエクスペンダブルズを救うため、冒頭の「借りを返しに」トレンチが助けに来るんだけど、チャーチもまた「指令だけで現場に全然来ねーじゃねーか!」とまさに「踊る大捜査線」の青島ばりにバーニーから叱責されたことで、遂に戦場に駆けつける!!

そしてクライマックス、軍事基地みたいなところでヴィランの軍との大戦争が勃発するんだけど、そっからはマジで必見!!3人を筆頭に横並びでライフル乱射する大迫力銃撃戦から始まり、基地内ではさらにブッカーまで再び参戦しての、バーニーが2丁拳銃、チャーチがライフル、そしてトレンチが前作で出てきたEVA8みたいなAA-12を使ってそれぞれ異なる銃器で敵を蹴散らす場面があったりとケレン味溢れるシーン満載なんだけど、中でもバーニーがヴィランを追う流れになり、トレンチとチャーチ2人だけでその場をなんとかしなくてはならなくなった銃撃戦、弾が切れそうだ!と「ターミネーター」の名台詞「また、戻ってくる!」と話すトレンチにチャーチが「戻りすぎだ!俺が戻ってくる!」と返して、そこにトレンチが「イピカイエー(「ダイハード」の決め台詞)でまた返すというお互いの主演作ネタの掛け合いがあるシーンはマジで笑ったわ!!しかも、ブッカーにも最後にトレンチが「次はランボー登場か?」とイジる笑。マジでメタに溢れてるw

最後は豆自動車に飛び乗った2人が両扉をお互い張り合って破壊してドアなしの状態で銃乱射しながら爆走!とやりたい放題で大満足!!

ただ、そんな2人には負けてられない!!とクリスマスがヘクターと対決して、「クラシックが最高!」と「人を殺して捨て台詞」シーンがあったり、ブッカーによる空港の荷物チェックの場面でよく出てくる「あれ」を使ったワンアイディアの殺しのシーンがあったりとまさに新旧アクションスター入り乱れての総力戦という感じで楽しすぎる!!

なんというか、アクションスターの共演作というより「仮面ライダー」のオールスター映画を観ているかのようだったw

そして、最後はやはりバーニーvsヴィランの最終決戦!!ヴィランが使っていた銃器の弾も切れ、銃器なしのステゴロでの戦いにバーニーがのって勇ましく戦いつつ、苦戦するバーニーに「殺したあいつの名前は?」と悪役全開でナイフを使ってトドメを刺そうとするヴィラン!そんなヴィランにパワフルに鎖を体に巻き付けながら飛び道具にして戦い、それによって絡みとられたヴィランに怒りのナイフを突き立て「あいつの名前はビリーだ!」とまさにリベンジを果たし倒すバーニー…カッコいい!!

全てが一件落着した後、バーニーがヒロイン、マギー(ユー・ナン「戦狼/ウルフ・オブ・ウォー」)と2人だけで話そうとして、トレンチとチャーチに「あっちいってろ!」とばかりにしっしっとやったり、前作で客演だったチャーチが「楽しかった!」とホクホク顔で参加できた感謝の言葉を述べて去るなど、なんかノリが卒業パーティーに参加した中学生みたいなノリで最後まで微笑ましい。

そして、最後はやはり仲間内だけの打ち上げで慎ましく終わるラスト!やっぱこれがなくっちゃね!!

というわけで見せ場としては前作みたいなシーンはないけど、シュワとブルース、そしてチャック・ノリスというレジェンド、夢の競演というアクションファンが「観たかったもの」を見せてくれた本作。スライとシュワはもしかしたら今後も再競演があるかもしれんけど、今作がきっかけで次作ではギャラで揉めて降板されてしまったブルースは、その後実生活でアルツハイマーを発症して俳優も引退してしまったし、もう2度とこの競演が観ることができないんだよなと思うとやはり夢のような作品だったと改めて感じる作品だった。
R

R