doradora

アーティストのdoradoraのレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
4.8
白黒だからこそ芸術的でなおかつ、為せる技があると証明した映画。


序盤の主人公と犬が観客の前でサービスとして芸を披露するシーンでこの映画は自分に過去を教えてくれると確信した。それほどまでに洗練された白黒映画を〝今風に〟〝見やすく〟作られていた。(でも白黒映画であることを崩していないからすごい)
過去の白黒作品のイメージはテンポが悪く、眠たい、というものだったが、この作品を見て今後自分の人生を彩る選択肢のひとつに古典映画学習というものが追加された。まあ簡単に言ってこの映画をきっかけに白黒映画ハマれたらいいな!ハマれるきっかけになれるだろな〜と思った。


主人公が人生の絶頂期から転落する原因と結果をひとつのシーンでの表現に驚いた。斬新だし、この映画の設定だからこそ成立する技法をうまく利用してる。

ラストのシーン。ここでは本当にこの映画が白黒でなくてはならなかった理由をしっかりと示してくれた。そしてそれを終えた、その後の展開…本当にラストのラストは心の底から映画というものを楽しまさせてもらった。

緻密な計算された設定、展開、音、映像、表現、これらが完璧に上手く作用されている。近年これまでに見ないほど素晴らしい作品だった!
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