福福吉吉

テイキング・ライブスの福福吉吉のレビュー・感想・評価

テイキング・ライブス(2004年製作の映画)
3.5
地元警察から白骨化した死体の調査を依頼されたFBIから捜査官イリアナ・スコット(アンジェリーナ・ジョリー)が派遣される。イリアナは状況を分析して捜査を進めていく中、新たな殺人事件が発生して同一犯の可能性が浮上する。しかし、その事件には目撃者がおり、その目撃者で画家のジェイムズ・コスタ(イーサン・ホーク)が犯人の似顔絵を描いたことから捜査が一気に進展していく。

作品の最初にマーティンと名乗る男が人を殺害し、その人の経歴を奪うシーンがあり、本作の犯人がマーティンであることを知るとともにその異常性が印象づけられました。

その後、イリアナを中心とした殺人事件の捜査と目撃者ジェイムズ・コスタの保護がテンポよく描かれていきます。ストーリー構成として、一段落つくのが少し早く、その分「まだ何かある」と感じてしまい、意外性が薄れてしまっているように感じました。

主人公のイリアナはFBIの捜査官としてプロファイリングを駆使して捜査するタイプとして、典型的なキャラクターのように感じました。それでも彼女に注目してしまうのはアンジェリーナ・ジョリーという女優の魅力によるものだと思います。

一方、犯人は被害者の手首を切断し、顔面を半壊させる猟奇的な部分を見せており、被害者の遺体がかなり残酷に描写されているので苦手な方は留意しておいた方が良いと思います。この犯人は定期的に殺害した人の人生を乗り移っていくという面白い特性があるのですが、本作においてはその部分の描写が少ないのでその点は残念に思いました。

重要人物となるジェイムズ・コスタですが、紳士的ですが恐れや苛立ちに対して素直に表情やセリフに出るため、普通の人物として想像しやすいキャラクターになっていました。

終盤の緊迫感や絶望感はとても良く出来ていて、観ていてハラハラしました。

なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2023年1月10日
鑑賞方法:BS/CS WOWOWプラス
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