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鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロンのyamakawa3000のレビュー・感想・評価

3.3

鳥の巣。

ドイツワールドカップのアリアンツ・アレナ球技場 プラダ・ブティック青山店やロンドンの美術館テート・モダンで知られる、 現在、世界で最も有名で多くの建築家の憧れである、 建築家ヘルツォーク&ド・ムーロン。

その彼らが北京オリンピックのメイン
競技場、通称「鳥の巣」を設計から建築過程までを 追うドキュメンタリーです。

目覚ましい経済発展をし続ける中国は、
数年前から有名建築家による建築ラッシュ。

レム・コールハースのCCTV新本社ビル
安藤忠雄の上海国際設計センター
マイケル・グレーブスの外灘三号
ポール・アンドリューの中国国立大劇院
などなど。。。

そして、中国が国際経済大国となり得たことを 世界にアピールするための北京オリンピック。
その象徴とも言うべき、オリンピックメイン競技場を 手がけるのが世界的建築家の彼らというわけです。

この建築物が彼らにとっても、重要な代表作になる ことを彼ら自身も自覚し、北京に事務所をかまえ、 入念な準備を重ねてきました。

しかしついこの前まで完全な社会主義国家だった この国では、時に彼らの常識が全く通用しません。
最初の返答は決まって「No」。
非協力的で怠け者の作業員。
そして建築途中での大幅な費用削減。
数々の困難な難問を淡々と、そして大胆に
決断し、完成を目指し、解決していきます。

ドキュメンタリー作品自体としては、
もう少し着想にいたるまでを 詳しく知りたかったし、 もっと彼らの考えを彼ら自身の言葉で たくさん聞きたかったな。

もちろん、出来上がった鳥の巣は、
独創的ですばらしい作品です。

彼ら曰く、
「このプロジェクトの本当に新しい特徴は、 内部と外部を繋ぐ移行空間であることは明らかである。
動き回れるように人々を鼓舞し、一行が共に楽しめる ようになる空間である。」

余談ですが、現在建設中のヴィトラハウスも 屋根裏部屋を無造作に重ねたような、
とっても独創的なものとなっているようです。

僕にとって、世界的に活躍する建築家は、
雲の上の憧れの様な才能を持つひとたちです。
また一人旅でロンドンに行った際にテートモダンを訪れて彼らの建築に興味も持ちました。
そのすばらしい才能と、無邪気さのようなものを 少しでも垣間みれる本作。
ご興味あればどうぞ。
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