akannpani

おにいちゃんのハナビのakannpaniのネタバレレビュー・内容・結末

おにいちゃんのハナビ(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

兄弟愛、家族愛

引きこもりの兄と白血病の妹
身体は元気だが心を病んでいる兄と
身体は病に侵されながらも、前を向き明るい性格の妹

家族一緒に食卓を囲む日を望み
この家族に流れている嫌な空気を
妹が持ち前の明るさで兄の壁を壊していく

妹は自身の病気で田舎に引っ越してき、
友人を失った兄にどこか負い目を感じている
兄の為にと行動を起こす妹
兄も妹にどこか心を許している
そんな妹の想いに突き動かされ
兄は外に出て行く

病が徐々に進行していくのと対照的に
兄の心も徐々に開けていくのが
せつない


冒頭の病院から車が家へ向かうシーン
退院から家へという道のり
退院という良き出来事を、
車が向こうへ駆けていくのを背中を捉えるロングショットだろうと予想してたら、
真逆の、車がカメラの左側へこちら側に
戻ってくるというニュアンスの動線
に疑問を抱いた
けど、中盤
兄と妹が新聞配達で二人乗りしながら
道を下って行くシーンは
それまで引きこもりだった兄が前へ進み出し上手くいっているミッドポイントとの
動線が真逆だったことに繋がりを感じる


太郎が引きこもって観ている動画が、
お笑いライブだったとき、
彼の中でそういった笑うとかいうこととかを捨てたんではない、まだそういったところは残ってるんだって感じた


扉をこじ開ける

お父さんのタクシーにある家族写真
携帯
紅色の花火
妹からの絵

言葉ではなく
想いが形となってあらわれ
相手に伝わる瞬間

車の横で父と母がハナの病状を隠れて聞いてるところは、サイドミラーで気づかれるやろとか、声聞こえるんかなとか
スイショウ会が家の前に通る時、
スイショウ会のメンバーが家の前で止まって声をかけるのかと思ってたけど
そこは予想とは違って良かったけど、
両親の土下座は脚本なんかな。
あれだけ花火に賭けてる人らが
新聞に目を通さずに気づかんことなんてあるんかな。
とか思ったりもした。
あと雪だるまもどこか作為を感じてしまう


花火をあげて悦びを分かち合う
花火をあげて悲しみを癒す

ラスト、妹の為に花火をあげる兄を見てきた町民が、兄の為に花火をあげるシーンは
温かい、人が人を想う気持ちが満ち溢れていて泣いた

花火のガイド「素敵だと思いませんか」
友達「なんか変わったねお兄さん」
とかどこか説明的で、
無くても良いセリフもあったんじゃないかなって思った
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