子供向けと思わせて、さりげなく親父向け映画かもしれない。
多次元世界設定は世界観の違うウルトラマンを集結させるための方便みたいなものだが、ある種のお祭り映画なので気にしてはダメ。
ただお子さまには少々難解な設定ではあると思う。
親父向けと書いたのは何も設定だけではない。
根本的に子供向けと言い難い要素が結構ある。
例えば序盤は全くと言っていいくらいウルトラマンも怪獣も出てこない（汗）
何ともノスタルジックな人間ドラマが展開され、お子様には少々退屈かもしれない。
もちろん中盤から終盤にかけては怪獣大暴れなわのだが。
前作『ウルトラマンメビウス＆ウルトラ兄弟』が大人に大ウケしたからと言って、ここまで重厚な人間ドラマにしなくても…。
で昭和ウルトラマンと平成ウルトラマンを繋ぐ鍵になっているのがメビウスなのだが、お子様に一番馴染みのあるはずのメビウスの出番が少ない。
しかし、かつてウルトラマンになることを夢に見て、そしてそれを諦めてしまった大人達には最高の映画かもしれない。
「もしかしたら自分もウルトラマンかもしれない。変身できるのかもしれない」
そんな心の奥底に隠してしまった童心を揺さぶってくれる映画。
そして嬉しいのが、そこかしこに登場する歴代ウルトラ俳優達。
(まさか『ウルトラＱ』の万丈目まで出るとは)
そんなウルトラ俳優を探すのも楽しみ。
いやホント楽しい映画ですよ。
と言いたいところだが、一つだけ、どうにもこうにも許せない事が一つだけある。
それは『ウルトラマンガイア』で藤宮を演じた高野八誠。
藤宮を登場させるなら、アグルに変身させてほしかった。
個人的に歴代ウルトラマンでもアグルが一番好きなので、これだけは本当に残念。
