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約束の旅路のhokaのレビュー・感想・評価

約束の旅路(2005年製作の映画)
3.1
モーセ作戦という《私はその存在を全く知らなかった》イスラエルによるエチオピア系ユダヤ人を救出する作戦に母の命で潜り込んだ9歳のユダヤ系では無い少年が、周りの様々な人々によって育まれ、MSFの医師として、生みの母親との再会を果たす。

私自身、バックパッカーで東アフリカを旅した時はKenya-Tanzania-Malawi-Mozambique-Zimbabwe-Uganda迄で、Ethiopia まで脚を伸ばす余裕は無かった。

例えあったとしても、当時の情報収集能力ではエリトリアやスーダン、ソマリア辺りの治安は安全とは言えなかった。

キリスト教徒であった黒人の少年が身分を詐称してエルサレムでユダヤ人として生きて行くのは、例え養父母が親切に接してくれていても嘘をついている自責の念で耐え難い事だろう。

昔の世界名作劇場のアニメを見ている様な、そんな心持ちになる。

シュルモにとって親身に接してくれる養父母、祖父や宗教指導者やサラ等、味方もいる。

差別や侮蔑は受けるが、その根底には母の愛による欺瞞が土台となっている事がそれと面と向かって対峙することが出来ず、自身のアイデンティティ確立の阻害にもなっている。

最後のハッピーエンドは出来過ぎの様な気もするが、そこは世界名作劇場も一緒だから良しとする。

見応えある映画でした。
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