義民伝兵衛と蝉時雨

銀蝶渡り鳥の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

銀蝶渡り鳥(1972年製作の映画)
3.6
やくざ映画や仁侠映画の主題歌が詰まった最高のコンピレーションアルバムの第2弾「続・銀幕ロック-生きたい様に生きて死ね-」。10数年前の10代の頃から数え切れない程聴いた大好きなアルバム。そこに収録されている梶芽衣子の「銀蝶渡り鳥 」はカラオケでも歌ったりするとても好きな曲。しかし曲は10年以上に渡って聴いてきたが、「銀蝶渡り鳥」の本編は恥ずかしいことに一度も観たことがなかった。先日レンタルショップでたまたま見かけたことによってそのことを思い出し、ようやく鑑賞することができた。

梶芽衣子の東映出演第1作目。銀座のネオン街を舞台にした異色の仁侠映画。前半はコミカルで力の抜けた緩さが印象的。笑いどころが結構あって、渡瀬恒彦のズボンが剥ぎ取られ滑稽なパンツ姿になるシーンは最高に笑えた。クライマックスはまさかのビリヤード対決。ここから緊張感が一気に高まる。敵のハスラーのサングラスにビリヤード台が写る異様な姿が妙なカッコ良さ。この異色の対決がフィナーレかと思っていたら、その後にしっかりとした仁侠映画的な殴り込み。バイオレンス色が一気に強くなり、梶芽衣子の殺陣が最高にカッコ良い。

梶芽衣子の魅力がたっぷり。惚れてしまう程の美しさと可愛さ。「女囚さそり」や「修羅雪姫」の時も素晴らしかったが、その時よりも更に魅力を感じた。渡瀬恒彦も相変わらず渋くてカッコ良い。改めて大好きな役者さんだと感じさせられた。南原宏治の悪人面も流石のインパクト。

主題歌「銀蝶渡り鳥」はやはり名曲。ラストシーンは涙もの。