二兵

暗黒街の弾痕の二兵のレビュー・感想・評価

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)
4.2
フリッツ・ラング監督による、犯罪映画であり、男女のメロドラマであり、逃避行ものの古典となった作品。

とはいえ『暗黒街の弾痕』という邦題には、正直首を傾げざるを得ない。

前科持ちであった主人公が、釈放され、世間の侮蔑の目に晒されながらも、唯一彼を愛した妻と幸せな日々を送ろうとする。

しかし彼は、ほんの偶然から、殺人犯となってしまい、追われる身となってしまった…。

何かを暗示するかのような2匹のカエルの場面、霧の中で神父が倒れるカット、スナイパーライフルのスコープの中に写し出される主人公とヒロインなど、今見ても印象的で鮮烈な演出が多く存在する作品。

『君は自由だ、テイラー』

このセリフには、色々な意味が込められているのだろう。

ヘンリー・フォンダのあの目の演技もあってか、終始物哀しさを感じさせる。

名作とは、こういう映画のことを言うのだろう。
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