MitsuhiroTani

アメリカン・ヒストリーXのMitsuhiroTaniのレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.6
人種差別を題材にした映画を論じることは難しい。アメリカンヒストリーXを観て、改めて思う。差別を考える上で絶対的に必要なのは、差別された側の視点だからだ。本作は、差別の無意味さや、憎しみの連鎖の虚しさを学び、再生を試みる白人の視点で描かれているが、そこには黒人の視点は一切含まれない。路上で殺された黒人の視点も、窃盗で服役しながら殺人犯より刑期が長い温厚な黒人の視点も。私は、本作で非常に難しい役を見事に演じ切ったエドワード ノートンも手放しで賞賛したい。そして、いつか彼自身が発起人となり、本作に登場した黒人の視点から見た、もう一つのアメリカンヒストリーXを制作して欲しいと思う。
「短くて貴重な一生を憎しみだけに生きるのは、あまりに虚し過ぎる。」
MitsuhiroTani

MitsuhiroTani