Antaress

シノーラのAntaressのレビュー・感想・評価

シノーラ(1972年製作の映画)
3.3
まずオープニングの曲が良いなと思ったらスパイ大作戦のあの有名なテーマ曲を作った音楽家の作品だった。

イーストウッド主演作品てことでモリコーネの曲っぽいマカロニウェスタン風味も感じられるし、尚且ついかにも70年代映画な曲調も良い。

映画少女だった頃、二本立て、三本立ての映画館を巡りワクワクしながらスクリーンに見入っていたのを思い出した。
シノーラの様なB級映画とニ、三本立ての名画座は良く似合う。

もぎりのおばちゃんから切符を買って、シケったポップコーンとジュースファウンテンのオレンジジュースを買って席に着くのだ。
もちろん場末の名画座に指定席なんてものは存在しない。
時間で入れ替えなんてないから途中から入って来る人も出て行く人も居る。

そんなラフな時代の映画館を懐かしむオーラを持った本作。作品自体は特に大好きなわけではないが懐古補正で星オマケ。

見張り台の蓋をズラして人を落としたり、水瓶ブラブラで頭やったりと、銃ナシで敵をやっつける手口が面白い。

でもやっぱりジョン・スタージェス。ちゃんと銃撃戦もある。西部劇はこうじゃないといけません。汽車ごと駅に突っ込んでく荒ワザも好き。

椅子をクルリと回して現れるイーストウッドに痺れる。

ロバート・デュバルがあっさり死にすぎて物足りない。あと金髪ネーチャンは配役した意味無くね?

面白い場面もあるにはあるけど往年のスタージェス作品らしい血湧き肉躍る面白さは無い。

60代のスタージェスにはイーストウッドの魅力を最大限に活かせる手腕はなかったと言うことかな。
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