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コルドラへの道のrumblefishのレビュー・感想・評価

コルドラへの道(1959年製作の映画)
3.5
第一次世界大戦へ参戦する直前のアメリカ、戦意高揚のためにメキシコ遠征中の騎兵隊から「生きた英雄」として叙勲者を選出し、コルドラ基地へ連れて帰ることになったソーン少佐の物語。

戦場で勇敢に戦った者が、高潔な人物とは限らない。選ばれた5人の兵士は、厳しい旅の途中で叙勲者に値しない行動を取るようになる。また、ソーン少佐自身は、かつて戦場で臆病な振る舞いをした過去を有している。コルドラへの道は、ソーン少佐の償いと勇気を取り戻す旅路でもある。アデレードはアメリカ人でありながらメキシコの叛乱軍に牧場と食料を提供した廉で基地に連行される。そんな彼女も過去を背負っている。上院議員の娘であったが、結婚には三度失敗し、子供の親権は夫に取られてしまった。

少佐の決断力に欠ける指揮、次第に少佐に従わなくなる部下たち。
線路まで辿り着いた一行は、打ち捨てられたトロッコで基地を目指すが、最後には誰もシーソーを操作しようとしなくなる。一人ロープを体に括りつけてトロッコを引くソーン少佐。まるで罰を受けているかのよう。

ソーン少佐 “確かに彼らは普通の人間だが、それだけじゃない。奇跡と神秘を秘めている。すばらしい。気付いていないだけだ。それを守りたい”
アデレード “信じているのね。だとしたら、あなたこそすばらしい人だわ”

中尉がアデレードから奪った少佐の手帳には、それでも兵士たちを信じようとした少佐の推薦文が記されていた。

人間の有り様を哲学的かつ宗教的に追求しようとしているが、映画として表現出来ているかと言えば難しいのでは。