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となり町戦争のmのネタバレレビュー・内容・結末

となり町戦争(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ずっとずっと、思っていた。

誰も殺してないんじゃない。
この手を汚してないだけ、意識していないだけ。


COVID-19で世の中ざわつきはじめて、
何が怖いか、ウイルス、じゃない。
品薄になるマスクでも、買い溜めをする人たちでも、騒ぎに託けて誰かを批判したり、デマ情報を拡散する人たちでもなくて

何も見えていない恐怖心のない自分がこわかった。

(もちろん譲られたマスクや優しさがあること、有益な情報を発信拡散してくれる人、終息のために努めてくれている人、日々リスクと対峙しながら働いてくれている人がたくさんいること、知ったつもりでいる。
私の想像なんかでは遠く及ばないだろうけど。)


数字だけは増えていって画面の向こう側で注意喚起されている。
でも、あくまでもどこまでも、他人事。

苦しんでいる人がいる世界に私も存在しているはずなのに。
つくづく見たいものしか見えていないのだと。


原作を読んだとき感じた動揺にも似た何か。
それを思い出して。


映画自体は、なんだろう、どこか勿体ない気がしちゃったの。
自分勝手に求めていたものを観たい、という思いが前に前に出過ぎたかな。

物語にはさ、誰も死なないハッピーエンドしかない、と。信じていた。信じていたかった。
あの頃の私にはわからないリアルがある。握れない手がある。
それでも手を伸ばしていいんだ。

失うために存在することもあるのかもね。そうかもね。でもね、



うまくまとまらないけど、今観ないといけないと思ったの。
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