踝踵

の・ようなものの踝踵のレビュー・感想・評価

の・ようなもの(1981年製作の映画)
4.1
まだ早いはずだけど既にバブルっぽい雰囲気が出ていて良かった。特にベランダで膝の上に皿を乗せてステーキを切っているシーンは無理があって面白かった。
映画の大きな起承転結は落語家の見習いの主人公が成長する話だが緩急は特になく主人公の生活をそのまま描いた感じに仕上がっている。
人はみんなゆったりニコニコしててやりたいことをしているのだが唯一主人公だけ落語家になる夢を叶えられていない。のにかかわらず主人公が一番おっとりしててモテる。フリーターの主人公が普通にJKと付き合える感覚は新鮮すぎて慌ててしまうけど周りがナチュラルに振舞うから慣れてしまう。

雰囲気は素晴らしく、特に強いオチがないので見終わった後は不思議な気持ちになる。最期のシーンの色とりどりの椅子とちょうちんで飾られた安っぽいビアホールは味わい深い。ラジカセがいい仕事をしている。
夢を追うにもどんな事にもリスクを感じてしまう現代にはない魅力があって不思議と安心してした。
踝踵

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