公開当時『ET』の影に隠れてヒットを逃し、後にビデオで人気を博したSFホラーの傑作。かくいう私も当時はETの方に入れ込んでました(笑)
ジョン・カーペンター監督は本作と『パラダイム』『マウス・オブ・マッドネス』を黙示録三部作と呼んでいるけれど、舞台が南極だったり宇宙や異次元からやって来るモンスターと戦う内に狂気に陥っていく人間を描いたところはラブクラフト的でもある。
有名な血液検査のシーンはアレックス・ガーランド監督の『アナイアレイション 全滅領域』で再現されたが、カーペンターによると隊員同士が疑心暗鬼になるところや「物体」が接触や体液を媒介に侵略するところは当時社会問題になっていたAIDS(HIV)のメタファーでもあったのだそう。
ラストシーンで生き残った二人の内一人の息が低温環境でも白くならないので既にエイリアンに寄生されているのではないかという説が囁かれたが4K版では確認出来るらしい。