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好きだ、のmokaのレビュー・感想・評価

好きだ、(2005年製作の映画)
1.8
序盤から終盤まで時の流れが非常にゆったりとしていて、鑑賞しながら何度も眠くなった。(実際、心を許していながらも互いを意識している男女間では、あのように時が流れているように感じられるものかもしれないが)
学生時代の二人はひたすら透明感に溢れていて、純粋さや素朴さを感じ非常に良かったが、時を経て社会に揉まれたのか、大人になりどことなく廃れた雰囲気を纏っていたのもそれはそれで良かった。
最後の最後に西島秀俊が永作博美に好きだ、と言う台詞があるのだが、声だけしか聞こえないにもかかわらず、理性が吹っ飛ぶ勢いで素敵で、本当に相手を愛おしく思う様があの一言に凝縮されていて、これを聞くために今まで長い長い映像を見させられていたのかと思うとより素敵さが増し、耐えてきてよかった思えた。
作品を通して非常に会話が少ないのだが、そのせいもあり、何気ない一言が繊細で、脆くも美しいものに感じられ、壊れないよう大事に慎重に発しているようであった。
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