ともたろう

エル・スールのともたろうのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
4.3
エストレーリャは父の名を呼ぶ母と、犬の鳴き声で目を覚ます。
父がもう戻らないことを察した娘は、謎の多かった父の在りし日の姿を思い起こす。

エリセ監督の長編二作目。
独裁政権が終わり民主化が進む中で作られた今作はモノローグを含むという点で前作よりもやや饒舌で、明るい表情も垣間見える。
光の見せ方と窓の使い方がきれいで印象的。反面、影も濃い。
夜の庭から見る家と空の色合いは幻想的な美しさ。

もともとは3時間程の作品にする予定だったらしいが、事情で半分程になったとの事。そういう意味では未完ではあるが、この終わり方でよかったと思う。
いい余韻。
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