エニグマ

男はつらいよ 寅次郎夢枕のエニグマのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972年製作の映画)
3.9
シリーズ第10作。
前半:寅さんが久しぶりに帰郷するも「遊んでると寅さんみたいになるよ!」と叱責される子供を目撃。皆が悪口を言っていると怒った寅次郎を見かねた家族は褒める演技をする。それに調子づいた寅さんは更生し、お嫁も貰うことを決意。皆が嫁候補を探すも寅さんの名前を聞いた途端門前払いされる始末。そしていつも通り喧嘩しまた旅に出る。
後半:旅先で自分のような行商人が旅先でポックリ死んだ話を聞いて自分と重なった寅さんはまたもや柴又へ。そこで幼なじみの千代(八千草薫)と再会。しかしとらやに下宿していた大学教授も千代に一目惚れしてしまい、三角関係となるのであった。

珍しくマドンナ側から告白されたのにまたもや身を引く寅さん。これは現代で言う蛙化のはしりなのか!?ここまで来ると寅さんは自身の幸せに臆病になってる小心者なのかもしれない。もしくは、大学教授の恋の手助けも快く引き受けているところを見るに千代のことを恋愛対象というよりは妹的な目線で見ていたといったところか。寅さんが旅する行商人としての自身の将来を案じるところや恋愛論を語るシーンもあって興味深かった。八千草薫美人だなぁ。あと源公がバカって書いたり鐘に寅さんの似顔絵を描いて突いてたりと慕ってるくせに反抗的すぎて怖かった。もうおいちゃんは完全に溶け込んでて違和感がない。前回に引き続き登が登場して嬉しい。
これでやっとシリーズの1/5と考えると先は長い。しかし、冬子や喫茶店店主、今回の千代のように柴又に残るマドンナもいるようじゃ回を重ねる事にマドンナだらけになるんじゃ…
山田洋次は、画面右側に奥行きを持たせて人を歩かせるのが好きなのか?
エニグマ

エニグマ