1996年。『スパニッシュ・アパートメント』(名作)のセドリック・クラピッシュ監督作品。
原題は、「誰もが自分の猫を探してる』って意味らしい。
パリ11区を舞台にした心温まるコメディ。バカンスに海へ出掛けることにしたクロエは愛猫・グリグリをマダム・ルネに預ける。しかし、パリへ戻るとグリグリは行方不明になっていた。クロエは捜索を始めるが、次第に多くの人を巻き込んでいき…。
可愛いんだけど恋人がいなかったり、仕事があんまり上手く行ってなかったりする女子が、猫を探すお話。ドラマチックな出来事は起こらずに淡々と展開するのだが、それがまたリアルでいい。
恋愛の難しさがさらっと描かれていたのも印象的。なかなか合う人って見つからないものです。
登場人物たちもまた、ちょっとクセがあるんだけど、基本的には市井の人々。
ラストが良かった。ちょっと『フランシス・ハ』に通じるものも感じた。あんなに元気な女子じゃないけど。
心が暖かくなるような、素敵な作品です。