幕の内サラダスティック

2001年宇宙の旅の幕の内サラダスティックのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.1
「過去の例が示すように
ミスを犯すのは人間。」
~HAL9000型~

開幕して早々は約3分真っ暗画面でホラー映画のBGMのような音楽が流れる!

そして、誰もが耳にした事のある壮大さNo.1の「ツァラトゥストラはかく語りき」と共に映し出される太陽系とタイトルで既にスケールがデカい始まりになっている。

これはキューブリック作品のほぼ全て言えるが、音楽の選曲と使い方が本当に素晴らしい!
以前に紹介した「時計じかけのオレンジ」でも使われたクラシック音楽を用いた演出はみている側に刺激を与える。
この作品でも多くの場面でクラシック音楽が使われており宇宙の壮大さととてもマッチしている!!

この作品は、本当に1960年代に作られた映画なのか疑ってしまうほどにとても綺麗だ。


ストーリーの中で時よりつい最近この現代で主流になりつつあるリモートでの会話のようなをシーンが何度か登場する。(1回70¢はリアルw)
また、宇宙飛行のサポートをしてくれる若干人間感強め(会話の内容などが)のAIのようなものも出てきたりする。
このAIが中盤からかなり物語のキーになってくる。
現代から50年も前でこの発想ができるのはさすがはキューブリック監督と言える。

ストーリーは淡々と進んでいき、セリフが他の映画に比べてあまり多いわけではなく、特に序盤はかなり音楽の方にステータスが振られている。
セリフが多くない分頭を使わず、BGMも相まってちょっとリラックスした状態でみることができる。(がこの作品を深く考えるほどに難解になっていく。)
がしかし途中で再び冒頭と同じようにしばらく画面が暗くなり不気味なBGMが流れ、その前後からのAIとの絡みが急にみている側に恐怖に似た緊張感のようなものを与えてくる。
そして終盤は前半との情報量の差によって視聴者を置いてけぼりにする。

当時は少し未来の話しのような感覚だったのかもしれないが現代を生きる我々からしたらもしかしたら有り得るのではというリアルな内容が今の世代の人に刺さる作品になっている。