ナカムラ

キッズ・オールライトのナカムラのレビュー・感想・評価

キッズ・オールライト(2010年製作の映画)
3.0
U-NEXTで視聴。

レズビアン夫婦のニックとジュールス、彼女達のそれぞれの子ども、ジョニとレイザー。
この四人家族の中に、一人の男性が混じる。それが、2人の子どもの精子提供者、ポール。

ポールは人柄はいいし、相手を否定しない。否定したとしても自分が変わってるから、と基本的に相手を受けいれ、自分のやりたいことを生き生きとやって人生を謳歌している。

そんなポールが、この家族に関わったことで、絶妙なバランスで逆に噛み合ってしまったことがこの家族を少しずつ不安定にさせていく。

ポールがめっちゃ嫌な奴だったり、本当の意味できちんとした人間なら起こりえなかったことが起きていくのは、ある意味現実味のある話だと感じた。
ポールはこの家族のいたらいいな、くらいの、ちょうどいい性格の人間だったのかなと思う。

だからニック以外誰も気づかない間に家族という関係性がおかしく歪んでいったのだと感じた。
最後、ニックがポールに叩きつけた言葉はまさにその通りとしか言えないし、家族と精子提供者という決定的な違いを綺麗に言語化したセリフだと思った。
無自覚な悪意がいちばんタチ悪いし、怖い。

ニックが初めは好きになれなかったけど、家族を守る姿にニックの芯の強さが見えて最後は一番好きになった。
ああいう芯の強い人間になりたい。
ナカムラ

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