福福吉吉

ブラック・ダリアの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ブラック・ダリア(2006年製作の映画)
2.5
◆あらすじ◆
ロサンゼルス市警の元ボクサーの2人組、バッキーとリーは若いながら優秀な刑事として評判になっており、2人はリーの恋人のケイとともに仲良く暮らしていた。ある日、若い女性が口を切り裂かれ、胴を切断されて殺される事件が発生する。バッキーとリーは別の事件の犯人を追っていたが、リーはその女性の殺人事件の捜査にのめり込んでいく。

◆感想◆
本作は1947年にロサンゼルスで発生した未解決事件「ブラック・ダリア事件」を題材にした作品になっていますが、内容としては事件の捜査にあたった2人の刑事とその周囲の人々の間で繰り広げられた人間ドラマをメインに描いています。私はブラック・ダリア事件がどんな事件だったのか知りたくて観たので、期待と内容に少しズレを感じました。

バッキー・ブライカート(ジョシュ・ハートネット)とリー・ブランチャード(アーロン・エッカート)はともに元ボクサーで冷静なバッキーと感情的なリーといったように対照的な人物として描かれていました。その間にケイ・レイク(スカーレット・ヨハンソン)が挟まり、リーの恋人ながらバッキーとも同じくらい仲良く、不思議な三角関係に見えました。

ストーリーとして、若い女性が無惨に殺された事件(ブラック・ダリア事件)が発生後、リーがその事件になりふり構わずのめり込んでいき、それとともに3人の関係が崩れていきます。これにはリーの過去が関係しているのですが、その過去が映像として描かれておらず、断片的にセリフなどで代用されているため、リーの執念に今ひとつピンときませんでした。リーの心理的な根拠の部分はしっかり映像化して欲しいと思いました。

終盤、バッキーがブラック・ダリア事件の核心に迫っていくのですが、これがなんとも薄くてざっくりと終わってしまって残念でした。

終始、心に訴えてくるものが無くて、淡々と終わってしまった感じがして、私は不完全燃焼で終わりました。映像のクオリティは高く、その当時のロサンゼルスの雰囲気をしっかり描いていて、決して駄作ではないのですが、私には可もなく不可もない作品になってしまいました。

鑑賞日:2024年2月9日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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