タロウ

俺たちに明日はないのタロウのレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
3.5
『BONNIE AND CLYDE/ボニーとクライド 俺たちに明日はない』


強盗、強盗、来る日も強盗を繰り返すクライド(演: ウォーレン・ベイティ)とウェイトレスとして働きながら、同じことを繰り返す日々に悶々とするボニー(演: フェイ・ダナウェイ)が出会った。クライドに、かつてない魅力を感じたボニーは彼と共に強盗生活を始める。新たな世界を知り刺激的な日々を送る二人。が、ある時クライドがついに人を殺めてしまう。以降、クライドとボニーの関係にも変化が。そしてもう後には戻れない、追われ続ける日々が始まる、、


 Netflixにあった「私が映画にハマったワケ」みたいなニュアンスの作品(名前忘れてしまった、、)を見たときにこの映画のラストシーンが取り上げられていて、それが鮮烈に頭に刻まれたので本編も気になっていた今作を、先日ついに入会したU-NEXTで鑑賞!

 クライド盗みしか頭にないんか!!ボニー可愛い!!クライドの兄貴とその嫁さんが出てくるまでは、正直これくらいしか印象になかった、、笑 二人でオラオラ盗み働くシーンもっと見たかったな。

 モスを加えた五人でギャング活動を始めるも、ボニーとブランチが仲悪いせいで最後までギクシャクしてた。とはいえ、みんなで笑い合いながら車に揺られたり、ご飯食べたり楽しい旅の一幕みたいなシーンがいくつもある。不思議な逃走劇だった。確かにブランチみたくギャーギャー騒いでるだけのヤツなんか、前線で戦ってる人間からしたら迷惑でしかないけれど、、笑 でも銃撃戦に巻き込まれたらあの反応が当然だよ。普通に銃ぶっ放せてるボニーの方がおかしい笑 僕の記憶では、警察との銃撃戦で銃を乱射するボニーの顔を捉えた描写がなかったと思うんだけれど、ぜひともその顔が見てみたい。数日前までいちウェイトレスとして働いていただけの女性が、銃を乱射するとどんな表情になるのか気になって仕方ない。

 けっこう終盤まで、どこか物語に入り込めなかったけれどボニーのママが出てきて以降は、一気に物語が加速した気がする。けっこうお年を召された感じのママがボニーとクライドに「あなたたちはもう追われ続けるだけよ」みたいなこと言ってて、いやママ怖!!って。取り返しのつかないことしたんだから当然の報いよ、って言ってるようでなんだか見てるこちらも説教された気分になる。

 これ以降、タイトルの言葉が一層強調された気もするしそれと同時に、ボニーとクライドが互いにより関係を深めていくからラストの衝撃具合がどんどん上がっていったと思う。モスの父ちゃんの判断は間違ってなかったと思う。僕自身もボニーとクライドには終盤までそこまで感情移入できなかったけれど、ママ登場から徐々に二人が愛おしく見えてきてからのあのラストなので、ショッキング極まりなかったです。

 とにかくラストは必見。「あ、これヤバい!」っていう表現の仕方がなんだか独特。静かな幕引きなのに、ずっと緊張が収まらない感じも印象的だった。

 
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