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ひめゆりの塔のaのレビュー・感想・評価

ひめゆりの塔(1953年製作の映画)
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物語の1から10まで続く、悲惨な銃撃のシーンや空爆のシーン。それと対照的に描かれた少女達の髪に櫛を通す姿、同級生の女の子たちと歌を歌い踊る姿、ドロップを舐めて笑顔になる姿。

その明暗が余計に見る側を苦しくさせた。いつでも「大丈夫よ。死ぬときはみんな一緒、だから生きるのもみんな一緒」と励ます女性の先生と「お国の為なら私達頑張らなければね」と無邪気に戦地を駆ける女学生。いざ地上線を前に米軍からの攻撃が激しくなり、ひめゆり部隊も一人…また一人と命を落としていく。お国の為に頑張らなければと言っていた少女は仲間の死体を抱きながら、空を飛ぶ米軍の飛行機に「ばか」と泣きながらに叫ぶ。明るく励ましていた先生は「死んでしまった方が楽よ」と爆弾が降る戦地で歩く事すら諦めてしまう。自殺用の青酸カリを欲しがり、持っている友人さえを羨む少女達。

評価することさえ憚れる。ラストをラストだと信じたくない映画には、なかなか出会えないものだ
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