ひめゆりの塔の作品情報・感想・評価・動画配信

「ひめゆりの塔」に投稿された感想・評価

eba0123

eba0123の感想・評価

4.2
日本最大の地上戦となった1945年の沖縄戦において看護要因として前線に送られたひめゆり学徒隊をセミドキュメンタリータッチで描く作品。

今と変わらない学園生活を送っていたであろう女学生たち222人によって構成されたひめゆり学徒隊の年齢は13~19歳。自分と同い年かそれよりも幼い少女たちが日本軍のために過酷な仕事をこなし何人もの儚い命が散っていったかと思うとなんともやるせない。

戦後からわずか8年しか経っていない作品なのでリアルな生々しさが伝わって来ますし、文字で見たり聞いたりしたおぞましい事実が映像として改めて描写されているのが一段と恐ろしかったです。

このとき既に沖縄は海と空からの爆撃を絶え間なく受けており、鳴り止まない砲撃の描写も非常に壮絶でした。円谷英二さんが特撮を手掛けたという噂があるらしい。爆撃が来ることは当たり前だし爆撃の中で作業することも当たり前。友が1人また1人と失われる。そんないつも死と隣り合わせの戦場でも逞しいひめゆり部隊の姿が印象的でした。

香川京子さんが出演していたので観ました。ラストが衝撃的。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.6
あの夏、多くの乙女達の魂はどう消えていったのだろうか?何を訴えているのだろうか?

ひめゆりの部隊について描かれるの 映像作品は数多くあるが、私が観たことがあるのは吉永小百合さん主演「あゝひめゆりの塔」のみ。
あれもかなり古かったがあれよりさらに15年も前に最初の『ひめゆりの塔』がここに作られていた。

全く異なるストーリーなので、比べる事は野暮だが、まだ戦後まもない頃の作品であり、演じる俳優たちもまた戦争の惨状を目の当たりにした人たちばかりであるためか、その描き方や演じ方にも生々しさを感じる。

作品は倒産の危機にあった東映を救うほどの大ヒットを飛ばし、今井正監督はのちにオリジナルリメイクを作るほどこの作品には並々ならぬ想いがあったのだろう。

ドラマティックにストーリーが展開するわけではなく、セミ・ドキュメンタリータッチの群像劇である本作は多くの登場人物にスポットが当たっていて、いわばひめゆり部隊の全ての少女たちが主役である。

本作撮影時は、沖縄はまだ米軍の占領下故に沖縄での撮影ができず、通信手段も限られ、沖縄の人々への取材も少ないものだったと思われる。
そのため殆どが想像で作られているが、何というリアリティ。

少女たちのキャッキャッした明るい笑い声が一つ、また一つと消えていき、彼女達の身につけている服もボロボロになり、失明したり、動けなくなったりと次第に追い詰められていく。

鑑賞していてもどんどんと身につまされていく本作は苦しみを伴うが、監督が拾い集めた「ひめゆりの乙女達」の魂の声がこうして時代を超えても忘れてはならない。

そして、こうした生々しい戦争を見せてくれる作品を繋いでいく事が、戦争を起こさない未来につながっていくのだろう。
島民はあんな小さな島を逃げ回ってたのかと思うと…。
「戦争ってどうだった?」って聞いてもうちのおばーは「恐かったサー」としか言わない。ホントに「恐かったサー」だけ。

健児の塔、もあります。
柔道家

柔道家の感想・評価

3.9
95版を見たあとに、こちらも鑑賞。

白黒なのでちょっと見にくいです。
セリフが聞き取れない部分もあります。
爆発のシーンは、火薬の量がすごい!
当時の風景などは、こちらのほうが近い気が。
犠牲になるシーンは、今ので当たってたの?と思うシーンも。

教師と生徒の信頼関係や絆は健在。
犠牲になる人々は、95版より多く、絶望度が高い。
思い返せば95版は、先生が先頭に立って投降するシーンもあったが、こちらは爆死。
日本兵も非情。
この辺は、反戦色を濃い目にストーリーが作られている気がする。

献身的な彼女達の姿は、こちらも同じで、役者さん達が戦争を経験している分変なわざとらしさがなく、どことなく敵がかなり迫ってくるまで呑気な感じすらする。
きっと当時も大本営の発表を聞いていたら、まだまだ大丈夫だと思ってしまっていたんだろうな。
心配する人に、君は神経戦にやられてるよと言ってのける。
戦争はどこか遠くの地で起きている出来事で、沖縄でもさほど危機感をもっていなかった様子が伺える。
一般市民にとっては、本当に突然大変な事態が起こり、一気に飲み込まれたんだろうな。

物語の流れは、概ね95版と同じ。
今の人達がもっと実感できるよう、定期的にその時旬な俳優陣でリメイクされていくことを望む。
山椒

山椒の感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

沖縄決戦を見た後に
すぐさまひめゆりの初期映画を鑑賞

オープニングで
名前一覧が手書きで並んでるけど
〜子って名前が
あまりにも多すぎて驚愕

白黒なのと人の会話が
モゴモゴして聞こえないところは
時代的に仕方ないことだろう

この映画に出てくる
先生たちの影響力の強さがエグい。

日本女学生看護部隊の少女たちが
懸命に救護している途中で
早くしろ馬鹿野郎とか言われたら
もう辞めまーすとかなる精神の
子が1人もいなかったのが
現代社会から考えると不思議でならない

一人一人に手榴弾を配り
いざというときは
潔く散れというのに
静かに頷く少女たちの世界は本当に
狂っていた時代を生きていたのがわかる

青酸カリ欲しさに
じゃんけんする世界‥

楽しく明るく振る舞っていても
母親を思い出したら全員が
泣き崩れてしまうシーンがつらい

最後もうダメだとわかり
自分で手榴弾を抱える少女や
先生に抱えられながらみんなで
よりそい死に急ぐ姿もしんどい

終わり方が誰も降伏なんてしなくて
ただただ全員死んで終の文字が
あまりにもあっさりすぎるけど
何故かリアリティがある‥。
本作は戦後8年後に作られていて
ほとんどの役者が戦争経験者なので
現代で作られた映画とは
何か違う緊張感もあったのかな
「ひめゆりの塔」1953(昭和28年)東映

「大本営発表によれば天長節の総攻撃で敵艦船は何十隻も撃沈しているんだ。しかし海を見ると敵艦戦で埋め尽くされている。一体どうなってるんだ」

1968年日活版「あゝひめゆりの塔」は現代から始まる。戦況を表す地図とアニメの解説が入り太平洋戦争末期、沖縄が北上する米軍から日本本土を守るための最後の砦だったことがわかる。

1953年(昭和28年)製作のこの作品にはその様な解説はない。観客のほとんどが戦争を体験していたからだ。自明のことだったのだ。戦後生まれの子供はまだ8歳だった。

この映画は1945年3月25日から始まる。教師を養成する師範学校の生徒達が前線の病院壕に看護助手として徴発される場面からだ。

大日本帝国は連日連夜鬼畜米英に攻撃を加えて撃滅しているはずなのに毎日毎日爆弾が落ちて戦闘機が機銃掃射を行う。

ついに病院壕を放棄して転進(撤退)する時が来る。

雨の中、傷ついた同級生を防空壕に運ぶ。すると他の部隊の兵士が壕を病院部隊には使わせないという。自分達の司令部として使うから民間人も出ていけ。

民間人を見捨てて自決を強要する大日本帝国陸軍は全くもって恥ずべき連中である。

投降を呼びかける米軍の呼びかけに応じた女生徒を射殺する軍医。

国民の命を守ろうとしない政府・軍隊。covid19から国民を守ろうとしているフリだけしている今の政府にも通じるものがある。

登場人物はみんな死ぬ。米軍に降伏しないで殺されてしまう。「終」→暗転。

さだまさしの甘ったるい歌なんか流れない。(ちなみに本編の音楽は古関裕而)

脚本水木洋子、監督今井正は闇の中に観客を残して去る。私達の心に深い爪痕を残して。後はあなた達が考えて下さい。そう言っている様だ。
ノ

ノの感想・評価

3.8
モノクロ映画で暗い場所映してるシーン観づらい。
青酸カリでじゃんけんするんじゃないよ。
とてもつらい。とてもつらい。

戦争映画を見るとき、映画が戦争という行為を肯定、美化していないかどうかという視点を必ず持つようにしている。終戦後まもなくの映画であろうと悲しいかな、制作者のさじ加減次第でどうにでもなってしまうものなのである。その点この映画は、(このテーマであれば突然肯定などあってはならないのだが)まったく情け容赦なく、まだ終戦から8年しか経ってないのにそこまでやっていいのかと逆に心配になるほど真剣に事実と向き合っている。戦争は善意と責任感の大搾取大会であったということが、女学生たちのがんばりを通して嫌というほど思い知らされる。善意と責任感の搾取は、なにも戦時中でなくても発生する社会の大きな問題でもある。

生徒役のなかにはその後有名になった女優さんが何人も出ていて、その初々しいお顔を拝見するという楽しみ方もできなくもない。若すぎてわからなかったらどうしようと思っていたが、それぞれの緊張した面持ちからはハッキリとその個性が見てとれる。ただし、混乱を極める戦況のなかで誰がどこで死んだのかほとんどわからず、なんとも言えない重い気持ちを抱えながら映画は進行していく。

すぐ近くで人が死んでいるというのに、かなり事態が深刻になっていてもなお女学生たちの間に麗しき女子会的な雰囲気が維持されていたことには妙なリアリティがあった。これもまた極限下の狂気と呼べるものだろう。

音楽の古関裕而は戦時中に「戦ふ東條首相」なる曲まで作っている戦時歌謡の大作曲家でもあるのだが、一体どういう気持ちでこの作品に取り組んでいたのかと墓へ行って詰め寄りたくなった。

トークショーで香川京子さんが、映画公開後の微笑ましい後日談を話してくださらなかったら、立ち直るのにもっと時間がかかったと思う。
要一

要一の感想・評価

4.3
少しでも道を踏み外せば死ぬ。時には道を踏み外さなくても死ぬ。しかも食料水補充や洗濯、救助など道を踏み外さなきゃいけない瞬間もある。落ちたらあの世の糸の上を歩かされているような、そのくらい途方もない地獄が戦争なんだなと思い知らされた。

研究資料を所望する先生、将来のために貯金をしていた男と、みんなに未来があるという描写も辛い。
あの沖縄の人間たち全員が生き残れた未来は戦争を始めた時点でなかったように思う。改めて戦争がなくなることを切に願わざるを得ない。
もえ

もえの感想・評価

3.0
第二次世界大戦の戦争映画を最近観るようになったが、沖縄映画は観たことがなかったので初めて沖縄戦の映画を見た。
救いも何も得るものがない終わりが衝撃だった。観終えてぽかんとしてしまったが、これは映画だからストーリーが続いていただけで、人は死んだらそこでお終いなんだなとおもった。

過去に見た戦争映画館同様重いテーマだが、女の子たちが出てくるだけでこんなにも空気が華やぐのだなと思った。
男たちだけで編成された戦争映画館はすぐ上司から部下への暴力が行われるので、軍人たちの女学生への配慮も新鮮だった。

史実なのでそれにある程度なぞって構成はされるのはわかるが、ストーリー性がもっとほしかった。白旗をあげようとして出て行く女学生を撃ったのが味方だったシーンは印象的だった。

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