クリストフォルー

パートナーズのクリストフォルーのレビュー・感想・評価

パートナーズ(2010年製作の映画)
3.9
劇場公開当時は、犬(動物)と人との関わりを題材とした映画でも、言葉を持たない彼らを代弁するように、犬の目線から世界を見た感じの作品が多かった。そんな中で、本作は、とんがったライター(荒井晴彦・井上淳一)が揃ったせいか、人間社会の目の高さで、盲導犬とそれを取り巻く人々を描き出そうしている。
ここに出てくる『犬たち』は、『盲導犬』として人間に奉仕する、言い換えれば『人に使役される存在』である。しかし、役割が違うだけで、人がいなければ生きることを許されない『家畜』や『ペット』と大差ない存在かもしれない。だからこそ、家畜やペットにはない『役割』の重みと、絆の深さを描くことが必要だった。
福祉や動物物語に安易な感動を求めるのではなく、他の動物には求められない、人と犬との唯一無二の絆とその幸福を考えるために、一歩踏み込んだ映画になっていると思う。

本作の下村優の監督したドラマ『ウィルスパニック2006夏~街は感染した~ (2006・日本テレビ系)』を、今だからこそ見なおしたい。再放送してくれ。
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