Bobsan

地獄のモーテルのBobsanのレビュー・感想・評価

地獄のモーテル(1980年製作の映画)
5.0
ネオンライトの"MOTEL HELLO"のOが点滅して"MOTEL HELL"に見え、その後のタイトルクレジットも同じネオンライトで描かれるオープニングがお洒落ですね。
怪しいキリスト教系宗教の狂信者である兄妹は人類の食料危機を解決するべく、無添加人肉ベーコンを作ってお客さんに振舞っていました。
この初老の兄妹が、自分達のやっている事に何の疑問も罪悪感も感じていないところが恐ろしいですね。自分達のやっている事はいつか認められて、みんなが感謝する筈だ。これもみんな神の思し召しだと信じて疑っていないのですが、それもとってもいい加減で、兄のヴィンセントは最期、事切れる寸前に衝撃の告白をします。
この辺りも笑っていいのかもしれませんが、寧ろそのテキトーさに戦慄してしまいます。
兄妹が信じている宗教の教祖も如何にも胡散臭く、信者から法外なお布施をかき集めているだけのペテン師です。
宗教というものが如何に人間を狂わせるのか。コメディタッチの作品の中にこういった真面目なテーマが隠されているのが立派な作品ですね。
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