そら

WANDA/ワンダのそらのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
4.0
1970年ヴェネツィア国際映画祭最優秀外国映画賞受賞作。

その名声とは裏腹に
アメリカ本国ではほぼ黙殺されたが、
世界中の映画人やアーティストに賛美された伝説的作品。


という、
U-NEXTの紹介分に完全に釣られました。

が、観て良かったです☺️



うまく生きることができず、
意思もない、希望もない、何もない。

正真正銘"空っぽ"の主人公ワンダ。

流されるままに彷徨い、
言われるがままに従う。


冒頭、自分の子に向けて放った
"私がいると不機嫌なの"
っていう台詞がいきなり刺さった。

きっと今までも、
"私がいないほうがうまくいく"
っていう思いを感じてきたんだろうな。



同じように
社会に取り残されたデニスとの出会い。

孤独と孤独が寄り添うことで生まれる
ほんのちょっとの優しさと感情が、
とても深く心に沁みた。

その表現がドライなのがまたいい。

"逃避行"かあ。

一瞬でも、
ワンダは生きてる気持ちに
なれてたかもね。


車の上からラジコンの飛行機に向かって
必死に手を振るデニス。

無人島に漂着したふたりみたいな、
なんとも言えないシーンだったなあ。



これと言って面白いわけではないのに、
不思議とずっと観ていられる作品でした。

飾り気のない感じが好き☺️
そら

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