1970年ヴェネツィア国際映画祭最優秀外国映画賞受賞作。
その名声とは裏腹に
アメリカ本国ではほぼ黙殺されたが、
世界中の映画人やアーティストに賛美された伝説的作品。
という、
U-NEXTの紹介分に完全に釣られました。
が、観て良かったです☺️
うまく生きることができず、
意思もない、希望もない、何もない。
正真正銘"空っぽ"の主人公ワンダ。
流されるままに彷徨い、
言われるがままに従う。
冒頭、自分の子に向けて放った
"私がいると不機嫌なの"
っていう台詞がいきなり刺さった。
きっと今までも、
"私がいないほうがうまくいく"
っていう思いを感じてきたんだろうな。
同じように
社会に取り残されたデニスとの出会い。
孤独と孤独が寄り添うことで生まれる
ほんのちょっとの優しさと感情が、
とても深く心に沁みた。
その表現がドライなのがまたいい。
"逃避行"かあ。
一瞬でも、
ワンダは生きてる気持ちに
なれてたかもね。
車の上からラジコンの飛行機に向かって
必死に手を振るデニス。
無人島に漂着したふたりみたいな、
なんとも言えないシーンだったなあ。
これと言って面白いわけではないのに、
不思議とずっと観ていられる作品でした。
飾り気のない感じが好き☺️