まがりなり

ヴィタールのまがりなりのレビュー・感想・評価

ヴィタール(2004年製作の映画)
4.1
「何言ってるんですか。まだまだこれからですよ」

検体に異常な執着を見せる浅野忠信の演技が素晴らしい。

現実世界での虚な様子と、妄想の中で死んだ恋人と過ごしている溌剌とした様子の対比が切ない。

「本当はここだったんだ!」

妄想世界で、死んだはずの恋人と必死に抱き合って体を重ねるシーンから、元恋人の細胞まで目に焼き付けようとした浅野忠信の愛が伝わってきて苦しかった。
そうなるよね…。というか、たとえ妄想の中だとしても、死んだはずの恋人が実在していると感じられる時間を過ごせたらのめり込んでしまうよな。

國村隼もやっぱりいい役者だな…。訥々と語る姿だけで引き込まれる。

メンヘラ女が小っ恥ずかしかったが、映画としては満足。
まがりなり

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