単に駄作と片付けてしまうのは簡単です。
公開当時、とあるひとりの少年は欲しかった本作のポスターが売り切れで、館内に貼ってあったヨレヨレで画鋲の穴がいくつもある最後のポスターを売ってもらって帰りました。しかも今もまだあります笑。自分にとっては思い出の作品です。
アームレスリング、つまり腕相撲。そのままです。しかし!アームレスリングがらみの映画は、恐らく後にも先にもこのオーバー・ザ・トップだけ!(2018年現在)。ある意味、映画史に燦然と輝く一作といっても過言ではありません。
(追記:2018年に韓国からアームレスリングがらみの映画が作られていました。...まさかです)
それにしても動きの少ない腕相撲でどうしてこんなに盛り上がるのか。そこは当時全盛期のスタローンが魅せてくれます。やはり試合中の彼の表情と鍛え上げた肉体でしょう。当時のシュッとした顔つきからの、あんな苦しい顔。誰ができますか。応援したくなります。そして主人公ホークの武骨な中にある優しさ、でしょうか。スタローンと重なって見えてしまいます。
劇中、トラックの売却金を自分のオッズに全部突っ込むシーン。自分自身に賭けるんだ、オレは自分を信じる。そんな熱い思いが伝わってくるホーク。しびれます!
あと手紙の伏線回収が良かった。
息子マイケルの笑顔にケニー・ロギンスの曲が重なって、物語をクライマックスへと導いていきます。
細かいこと、難しいことを抜きにして楽しめる作品です。