ひろパパ

馬喰一代のひろパパのレビュー・感想・評価

馬喰一代(1963年製作の映画)
4.0
ラピュタ阿佐ヶ谷の三國連太郎特集にて。ベタな話だけど、(年のせいか)こういうの弱い。大正から昭和初期の北海道・北見を舞台に、荒くれ者だが一本気で曲がったことの大嫌いな馬喰の米太郎(三國連太郎)が女房に先立たれ男手一つで(と言っても途中から新珠三千代と再婚するが)残された一人息子を育て、そして成長して札幌の中学校に旅立って行くのを見送るまでが北海道の雄大な景色の中で叙情豊かに描かれている。荒くれ者という設定が似ているせいか、先に見た『無法松の一生』に通じるものがあったが、やはりこういう役を演じた時の三國連太郎の迫力はすごい。バケツの水を息子に思いっきりぶっかけるシーンなんか、子役は本当に怖かったんじゃないか。北見馬喰であることに誇りを持ち、ずっと息子を日本一の馬喰にするという夢を持ち続けながら、息子の進学への思いを理解し受け入れるシーン、そしてラストの汽車で旅立つ息子を馬で追い、走り去った線路に思わず耳を押し付けるシーンが泣けた。ドラマ化された重松清の『とんび』を思い起こさせた。
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