もちもち

私の中のあなたのもちもちのネタバレレビュー・内容・結末

私の中のあなた(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ものすごく泣いた。家族モノでは「湯を沸かすほどの熱い愛」ぶりにこんなに泣いた。重病の長女を抱えた家族のそれぞれの視点が描かれていて、それぞれの立場になった想像をするととてもやり切れない思いにもなる。どんどん弱っていく大事な娘をなんとか活かそうと積み上げたキャリアやら全てを犠牲にして盲目気味になってしまっている母親や、心を傷めながら最善の手段をとれるように考えサポートしてきた父、自分も失読書を患っていて辛いだろうに、もっと重病の姉がいるため内に溜め込んできただろう長男。アナの姉思いの行動やずっと痛みを我慢してきた人生を思うとまた泣けた。そんな中でも、母親が頭を丸めてみんなで出かけて撮った記念写真やダンスパーティー、ビーチのシーンは映像としても印象的で、ケイトにとって苦しい人生の中でも忘れられない美しい想い出が描かれていて切なくなった。奇跡は起こらず、治らない病気は治らず、だけどいい人生だったといえるケイトの姿は残されたものに生きる意味を考えさせ、生きる活力を与える。心から観てよかったと思える映画だった。
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