「煽り運転は絶対にやめましょう」
上映時間90分でひたすらトラックに乗用車が追いかけ回されるだけの話なのだが、それ以上に濃度が濃い。
それを可能にしているのはやはりスピルバーグのとんでもない演出力なのか。
追いかけてくる古めかしいディーゼルトラックが本当にモンスターに見えるし、それを運転している人が最後まで明かされないことでさらに不安を煽られる。
この映画はスティーヴン・スピルバーグの原点でもあるが、その後の彼の作品に共通するエッセンシャル全てが集積しているような気がする。
・家族と上手くいってないおっさん。
・そのおっさんが巨大な怪物に追いかけられて必死に逃げる。そして立ち向かう。
・演者の表情のドアップ。
・観客を心底ビビらせにくる容赦ない絶望的な展開の畳み掛け
タイトルが"Chase"ではなく"Duel"となっている理由が最後まで観ると分かるのも楽しかった。
『激突!』も良い邦題だと思う。
ところで白昼ドライバーたちが普通にカフェでビール飲んで再び運転するのはいいんだろうか。