COZY922

ダイヤルMを廻せ!のCOZY922のレビュー・感想・評価

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)
3.2
エールフランス機内で鑑賞。よく考えられたプロットと無駄な部分のない構成の王道ミステリー。巧妙な心理描写、限られた空間でのドラマなのに観る者を最後まで飽きさせない作り、鍵や手紙など小道具の使い方などはさすがの上手さです。ただ、他のヒッチコック作品に比べると必ずしも傑作とは思いませんでした。最大の理由は登場人物の誰にも魅力を感じず感情移入できないから。妻は一見悲劇のヒロインっぽいけど元はと言えば事の発端は妻の不倫。夫は夫で、妻への純粋な愛憎からの行為ではなく財産も絡んでてやっぱり好きになれない。妻の不倫相手も、これまた正直言っていけ好かないヤツなのよね、、。グレースケリーのような華のある女優を起用しながらイマイチ作品が地味に感じるのも妻役のキャラが一因だと思います。あと、時代を考えたとしても、殺人事件なのにいくら何でも捜査がずさん過ぎるのも気になりました。刑事コロンボのような、犯人が最初にわかっていて、事の真相に迫っていく展開なので推理を楽しみたい人向きかな。
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