死んだ人に大切な思い出を一つだけ選んでもらい天に召されるのをサポートする、天国への入り口の事務所が舞台。死者は自分で選んだその一つの思い出だけを持って天国へ旅立つ。亡くなった人のことを想うことはあっても、自分が死んだ時にどの思い出を・・という視点の話はあまり出会ったことがなかった私には斬新でした。
1人1人にインタビューするドキュメンタリータッチな作りで、音楽はほとんどなくセリフは即興ぽくて良くも悪くも芝居臭さが無いので、思いっきりファンタジーな話であるにもかかわらず妙にリアリティを感じさせます。
一つだけ思い出を持っていけるなら自分は何を選ぶんだろう。そんなこと考えたこともなかったけど、やっぱり家族との思い出の中からどれかを選ぶんだろうなと思う。途中から完全に、自分だったらどんな選び方をするか、家族、肉親は自分との思い出を選んでくれるだろうか、という目線で観てました。すごく地味で単調だけど好きです。
ただ、映画として考えると、もっと暴走する人がいてもいいんじゃないかなとも思いました ^ ^; ; 。自分はまだ死んだりしないはずだ!なんでこんなとこにいるんだと激怒する人とか、元の世界に戻ろうと脱走する人とか。
構成も、あえてのドキュメンタリー風だとは思いますが、これはこれとして、これとは別に同じテーマで音楽やイメージ映像で演出したものも観たい気がします。作ってくれないかな。