ゆーり

砂の器のゆーりのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
4.0
小さい頃に家族で観て、父親が号泣しているのを初めて見た映画です

改めて大人になってから鑑賞

とても古い映画で長編だけど、
物語がじわじわとクライマックスへ向かう時、
同じように壮大な音楽と険しい自然の美しさが合わさって、
もはやセリフはいらないという激動の回想シーンに連れ込まれる

蒲田で起きた殺人事件
被害者の男を調べれば調べるほど、めちゃくちゃ人徳のある人じゃないかとわかる
手がかりは、死ぬ直前に誰かと話していた『カメダ』というワードだけ

当時はインターネットもない時代だから、
刑事さん達が手探りであちこち飛び回る

少しずつ足跡を辿っていくと、
そこには誰も想像もできなかった
辛く悲しい過去を背負って生きていく親子の姿が現れる

昔の日本では実際にあった
ハンセン病患者への酷い差別

正直、ピンときていないのが私の悲しいところだと思った。
それは自分が不当な差別を受けていないからかなぁ。

当時の親子が受けた心や体の傷は、
きっと想像もできない程の悲しさや辛さ、悔しさや恐怖があったのだろう…

けど、やはり殺人の動機がピンと来ない。
これが、私の浅さなのかな。

宿命という曲が、
ラストシーンで壮大に演奏される時、
どんなに足掻いても、
上辺だけ変えることが出来たとしても、
変えることの出来ないこの
『生まれてきた事』に対して、
激しい感情の渦となっています。
ゆーり

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