小さい頃に家族で観て、父親が号泣しているのを初めて見た映画です
改めて大人になってから鑑賞
とても古い映画で長編だけど、
物語がじわじわとクライマックスへ向かう時、
同じように壮大な音楽と険しい自然の美しさが合わさって、
もはやセリフはいらないという激動の回想シーンに連れ込まれる
蒲田で起きた殺人事件
被害者の男を調べれば調べるほど、めちゃくちゃ人徳のある人じゃないかとわかる
手がかりは、死ぬ直前に誰かと話していた『カメダ』というワードだけ
当時はインターネットもない時代だから、
刑事さん達が手探りであちこち飛び回る
少しずつ足跡を辿っていくと、
そこには誰も想像もできなかった
辛く悲しい過去を背負って生きていく親子の姿が現れる
昔の日本では実際にあった
ハンセン病患者への酷い差別
正直、ピンときていないのが私の悲しいところだと思った。
それは自分が不当な差別を受けていないからかなぁ。
当時の親子が受けた心や体の傷は、
きっと想像もできない程の悲しさや辛さ、悔しさや恐怖があったのだろう…
けど、やはり殺人の動機がピンと来ない。
これが、私の浅さなのかな。
宿命という曲が、
ラストシーンで壮大に演奏される時、
どんなに足掻いても、
上辺だけ変えることが出来たとしても、
変えることの出来ないこの
『生まれてきた事』に対して、
激しい感情の渦となっています。