samo

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのsamoのレビュー・感想・評価

4.8
字幕、吹替、英語、何回も見た。何回見ても、かなしくてつらくて、でもあたたかくて、だからせつなくて、だいすきな映画だ。はっきり「しあわせ」な映画ではないのに、切り取りたくなるような一瞬や大切にしたいシーンがいくつもあって。

お父さんの電話、オスカーの隠し事、お母さんとオスカーの言い合い、ぜんぶ愛だから、余計にせつなくなる。言い合いのシーンはいつも泣いてしまう。扉越しの愛してるよはオスカーのほんとうの気持ちで、面と向かっては言わずああいう表現だけど、そこにはちゃんと彼の気持ちがあるから、それで泣いてしまうお母さんがいて、わたしもほんとうにぎゅうっとなって、だいすきなシーンだ。大切なひとの死は、個人差はあれど、否が応にでも何らかの機会になるんだろうな。

ニューヨーク、リバティ島からの帰りのフェリーの中で、目に入ったワールドトレードセンターを見て号泣してしまった。たぶんそれはこの映画を見てたからだったんだと思う。(わたしが見た建物は、9.11とは違う、きれいに建て替えられた建物だったけど。)あのタワーから、死ぬためにじゃなくて、生きるために飛び降りた人がいるかもしれないっていうこと、それが嘘か本当かは分からないけど、ずっと忘れたくないし、忘れられないよな。
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