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囚われの女の仮想空間のレビュー・感想・評価

囚われの女(2000年製作の映画)
4.0
アケルマン作品はずっと観たかったのだが今回ようやく初鑑賞。めちゃくちゃ自分に合っていたので長文感想になりそう。
ドラマも構図も常に一方通行。車の進む先も歩く先も会話も一方的でぜんぜんLOVEを感じない。
アケルマンが大事にしているのは結果でなくて過程なのだろうと思う。セックスの結果愛が深まったかではなくその途中でどこに意識が向いているかを深化させていることがその証拠。オペラだってどんな演技をしているかではなく誰が出演しているのかという情報にフォーカスが当たる。
あとよく男が泣く。男がなよっちいだけかもしれない。邦画では「ドライブ・マイ・カー」で男の涙が云々でだいぶ盛り上がっていた気がするが、アケルマンは肉を食べ過ぎたらおならが出ますよくらい当たり前のように泣かせる。
終盤、溺れた彼女を男が救いにゆくが暗過ぎてはっきり見えないなーと思ったら次のカットでパッキパキの朝ぼらけの映像を出してきて目がカピカピになるくらいアケルマンは残酷な作家です。好きだけど。
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