イワシ

大疑問のイワシのレビュー・感想・評価

大疑問(1919年製作の映画)
3.9
幼い頃に目撃した殺人の記憶を封じたリリアン・ギッシュが奉公した先はまさにその事件の犯人夫婦のもとだったというサスペンスな粗筋は一先ず遅延され、ギッシュがロバート・ハロンの一家に身を寄せてからいくつの素朴な挿話が積み重ねらる。聖書と石油、第1次大戦。グリフィスの近現代史。

夏の小径でリンゴの木に無邪気に飛びつく十二歳の少年少女のようにしか見えないリリアン・ギッシュとロバート・ハロンに無性に泣きたくなる。いたずらのキス、果物いっぱいの籠、腕を組み歩くふたり、素晴らしいロングショット、素晴らしい繋ぎ。

潜水艦が出てくる時点で驚いたんだけど、敵艦からの攻撃を回避するために甲板で作業していた船員を取り残して潜水していくシーンはすごい迫力があった。キートンみたい。
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