冬眠くまちゃん

サイドカーに犬の冬眠くまちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

サイドカーに犬(2007年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

中学生の頃、主題歌をMDに入れて聴いていた。それくらいの印象しかなかったけど、映画の雰囲気と相まって、昔が懐かしくなる映画だった。

たぶん、昔の私だったら退屈な映画だと感じただろうけど、社会人になって、一人暮らしをしてる、大人に片足突っ込んでるような今の私だから、楽しめた。中学生の私じゃ、洋子さんが『ヴィヨンの妻』を読んでいるとか、気にも留めなかっただろうな。

かっこいいお姉さんだけど、どうしようもなくオンナである洋子さんが見え隠れして、それを見てしまって戸惑うかおるちゃんが、すごく良い。というかかおるちゃんがとても良い。「お母さんに怒られる」とか、お父さんにもらった偽百円玉がなかなか使えないとか(使っても中途半端な結果に終わるあたりも含めて)、私にもあんな時代があったなぁ……と思わせるような女の子だった。

派手な出来事は起こらず、とても地味なストーリーではあるのだけど、ノスタルジックな気分に浸れる、良い映画だった。