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地獄の黙示録・特別完全版のhicoのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)
4.0
想像していた戦争映画と違い過ぎて驚いた 3時間21分…長い!
映画に関するエピソードは諸説あって、それをこなしながら観るのも面白い とにかくお金をかけてるなあと思うシーンは派手で見応えがあるし、しかもその所々にチップが埋めてあって、これはこういう意味なんだろうかと悩まされる
逆に監督の真意であろうエンタメ性の無いシーンはとにかく難しく、おそらくこの映画の評価が分かれる理由だろう
ある人はこの映画の基底には東洋思想とキリスト教的思想があり、そこがベトナムという舞台でアメリカとアジア人という人種が混ざり合っていると言っていた、なるほどそういう見方をすれば終盤のカーツ大佐と主人公の葛藤など見方が変わるし、この結末の時点での主人公は何をどう感じたのか考えさせられるだろう
前半後半で意味合いや映像全てが変わるけども、その分岐点にフランス一族の話を置いたのが印象的だった

冒頭の主人公が酒に酔い奇行を繰り返すシーンにて、ヘリのプロペラと扇風機が東洋思想でいう輪廻で、流れている曲が白人主義のジエンド…そこに苛む狂いかけている(中立的な)主人公 そのシーンにこれだけの意味合いを持たせているとの解説をみたが、そこに気付いたらこの映画は観る必要は無いとも思った、普通に凄過ぎる暗喩だ

とにかく長く、見応えあるシーンは先に見せられてしまい、その後はダレてしまう 主人公に感情移入する事もないし、あまりにも哲学的過ぎて観た人に投げかけるような映画なので、二度観る気はしないだろう
だけどもワルキューレと言えばこの映画だし、太ったマーロンブランドにも笑えるし、ナパーム弾とサーファーの話は狂っているし、結果観て良かった
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