tomohiro

セント・オブ・ウーマン/夢の香りのtomohiroのレビュー・感想・評価

-
障害は苦痛を与える反面、生きる糧にもなる。それから、人を大きくしてくれる。

他者から見える自信とは、乗り越えた障害の量や質、それらが滲み出た結果なのかもしれない。持とうとして、持てるものではない。そんな作為的な自信は脆いハリボテだ。


円滑に世の中を渡るためには邪魔になってしまうプライド。しかし、それを高く抱き続けた者にしか生まれ得ない思考や行動、辿り着けない地点・領域、そうしたものは確実に存在する。そのプライドが、信念に支えられているということが前提だと思うけど。

選ぶべき道を心はちゃんと知っているはずなのに、そっちを歩くことは大変だ。その道は大体、社会と折り合いがつかない方だから。
だが、理想を高く保つこと、それに対して貪欲になることを止めてしまえば、人の気位は簡単に失われてしまう。
困難の先に、必ず希望があるわけではない。でも、あるかもしれないと思ってやっていくしかないんだ。


臆病者でなければ、本当の勇気を獲得することはできない。かじかんだ手を火に当てるとき、暖かいなあって心から思えるみたいに。


作品の芯は良かったけど、校長とか悪ガキ衆がただの悪役になっているのが、いかにもアメリカ映画って感じでそこは頂けない。こういう描き方をしてしまうと正義の押し付けのように見えてしまう。どちらにも理があり、割り切れない描き方をした方が好きだな、個人的に。ただ尺的な問題だろう、多分。ベターコールソウルなんかはそこら辺がいい


それにしても、とろけるほどいい男だ
tomohiro

tomohiro