うめはる

コラテラルのうめはるのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
5.0



マックスがヴィンセントから独り立ちするまでの話だけど、ヴィンセントになるのにヴィンセントを演じるってのが面白い。クラブから帰ってきた時にヴィンセントの座る位置がマックスの後ろになってて、2人の会話をただピントを交互に入れ替えるだけにしてるのが、1人になった2人の顔が交互に出入りしてるように見えて最高のカットだった。

ショットは人が演じる運動とは切り離せないもので、ショットに人が動かずにいるという場合はハスミン曰く、動から不動への無媒介的な移行として演じられる「死」が多いらしいんだけど(最近だと『セインツー約束の果てー』などの例外はある)、ハスミンが言及してた通り、最後の死に「寡黙なる雄弁さ」と「雄弁なる寡黙さ」があって、そこがまぁめちゃくちゃ良かったんだけど、その後に運動を止めた人間を、運動でしかない電車が運ぶこと、それを撮ることに追い討ちを食らったというか、マイケル・マンすげぇなってなった。

車の中とか最後の電車とか2人が重なって1人を象徴させるようなカットが凄く好きだな〜。
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