実際に起こった、アメリカ兵の信じられない愚行から、ベトナム戦争の本質が垣間見える傑作。
いつどこにいても油断できない、殺さないと殺される空間。そんな極限状況の中でベトコン、共産主義から守る名目でアメリカが勝手に始めた戦争が、民族への憎しみ、そして狂気へと変わっていく。
アメリカ兵が異常空間で感覚が麻痺して狂っていく様が、唯一まともなアメリカ兵エリクソンの視点から描かれて、これこそもっと多くの人が知るべきベトナム戦争の真実だと感じました。
個人的に、戦争映画はまた観たいと思えるかどうかも評価の判断軸だけど、そういう意味で、今作はもう二度と観たくないくらい後味が悪く、インパクトがあったので、素晴らしい作品だと思います。
もう観たくないけど、マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、デ・パルマにモリコーネと、最高のメンバーが揃い、非の打ち所がない完成度の作品です。